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モーションキャプチャーとは?種類や個人向けおすすめアプリを徹底比較

映画やアニメに使われたり、Vtuberなどの配信者の人気が上がってきたりと、昨今モーションキャプチャーの技術は日常に浸透してきています。しかしそれが具体的にどのように撮影されているのか、裏側でなにが行われているのか知っている方は少ないかと思います。

今回はモーションキャプチャーの導入を検討している方向けに、モーションキャプチャーの種類や必要な機材、周辺ソフトなどについて詳しくご紹介します。

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株式会社ORGOでは、AI姿勢推定モデルを活用したAI姿勢分析アプリ『ePose(イーポーズ)』および、AI動作解析(モーションキャプチャ)アプリ『MYoACT(マイオアクト)』を開発・運営しております。

どちらのサービスも、初期費用0円、まずは無料体験からご利用いただけます。

AI姿勢分析アプリePose(イーポーズ)

AI動作解析アプリMYoACT(マイオアクト)

目次

モーションキャプチャーとは?

モーションキャプチャー(Motion Capture)とは、人や物体の動きをデジタルデータとして記録し、CGキャラクターや3Dアニメーションに反映させる技術のことです。(略して「モーキャプ」と呼ばれたりもします)

近年では映画やゲームだけでなく、VTuber、医療、スポーツ、ロボティクスなど、多岐にわたる分野で導入が進んでいます。動きをそのまま取り込めるため、リアルな表現が可能となり、作業の効率化にも大きく貢献します。

モーションキャプチャーの仕組み

センサーやマーカー、カメラを使用して人の関節や体の動きを記録する仕組みを、包括して「モーションキャプチャー」と呼んでいます。

記録されたデータは、3Dソフトウェアなどでリアルタイムに視覚化でき、オリジナルの3DCGや2Dのキャラクターなどに適用できます。

動きの精度は方式や機材によって異なりますが、プロの現場では複数の高性能カメラやセンサーを併用することで、緻密な動作再現を実現しています。精度を求めるほど、高額なシステムや広い場所といった金銭的・物理的な課題にぶつかることになります。

モーションキャプチャーの歴史

モーションキャプチャーの歴史は、1900年代初頭にまで遡ります。

世の中で初めて「人体の動きを記録する」という発想が実用化されたのは、アニメ制作の現場で実写映像をトレースしてキャラクターに動きをつける「ロトスコープ」という手法だと言われています。(ロトスコープの技術は現代でも使われています)

その後1960年代にはアナログセンサーによる動作の計測が始まり、1980年代にはマーカー式や光学式のモーションキャプチャが商流に乗り始めました。

2000年代には映画などの映像制作でも積極的に使われるようになるなど発展を遂げ、現代の高精度なモーションキャプチャー技術に続いています。

モーションキャプチャーの種類と特徴

モーションキャプチャーにはさまざまな種類が存在し、それぞれ特性や得意な領域が異なります。

導入を検討する際は、自分たちのやりたいことを明確にした上で選ぶことが大切です。

光学式モーションキャプチャー

光学式モーションキャプチャーは、身体に反射マーカーを装着し、赤外線カメラで追跡することで動作を検知する仕組みです。

高精度・高フレームレートで動きを捉えることができるため、映画や大規模なゲーム制作などプロの現場で多く使用されています。しかし大規模な撮影空間と高価な設備が必要になり、導入には多額のコストがかかることが難点です。

慣性式モーションキャプチャー

慣性式モーションキャプチャーは、IMU(慣性センサー)を装着して、加速度や角速度をもとに動きを記録する方式です。

カメラが不要になるため、狭いスペースや屋外での撮影にも対応できるのが大きなメリットです。トラッキングの精度は高いですが、長時間使用するとドリフト(誤差)の蓄積が課題になることもあります。

マーカーレスモーションキャプチャー

マーカーレス方式のモーションキャプチャーは、カメラ映像や深度センサーを使って、身体の部位をAIが自動認識・追跡する方法です。

マーカーや専用スーツを使わずに動作を記録できるため、セッティングが容易で、教育機関や個人利用に適しています。ただし精度は環境や動きに左右されやすく、プロ用途では調整が必要な場合もあります。

撮影動画によるAIモーションキャプチャー

最近では、1台のスマートフォンやウェブカメラで撮影した人物の動きをAIが解析し、モーションデータに変換するモーションキャプチャーアプリも登場しています。

これまで精度に難がありましたが、弊社の提供するMYoACT(マイオアクト)では動画一本から筋活動や床半力まで解析するソリューションを提供しています。

MYoACT(マイオアクト)を見る

フェイシャルモーションキャプチャー

顔の表情や視線、口の動きなどをキャプチャする技術もあります。

VTuberやアニメ制作、リモート会議用のアバターなどに利用され、自然なコミュニケーションを支える技術として注目されています。またiPhoneや専用カメラによる対応が進んでおり、個人でも活用しやすくなっています。

フィンガーモーションキャプチャー

スーツやマーカーだけでは、人間の手指の動きまで解析するのは難しいため、専用のグローブを使用したモーションキャプチャー技術も利用されています。

指の関節一つひとつの動きを高精度にトラッキングすることで、VRや手話通訳、緻密な作業の再現、アニメーションの制作など、多彩な用途で使用されています。

モーションキャプチャーに必要な機材一覧

モーションキャプチャーを行うには、各方式に応じて専用の機材が必要になります。

トラッキングスーツ(モーションキャプチャースーツ)

慣性式モーションキャプチャーの代表的な機材で、全身にセンサーを内蔵したスーツです。屋外や狭い空間でも使用できる柔軟性があり、アスリートの動作解析やゲーム制作で活用されています。

モーションキャプチャーカメラ

光学式では赤外線対応の専用カメラが必要です。複数台をスタジオに配置して、複数の角度からマーカーの位置を高精度に記録します。フレームレートや解像度の高さが重要です。

反射マーカー

光学式では、反射素材で作られた小さなボール状のマーカーを身体の主要な関節や部位に貼り付けて使用します。

より精度高く正確にキャプチャするには、マーカーの数と配置が重要になります。

モーションキャプチャーグローブ

指の動きを捉えるための専用機器です。加速度センサーや光学センサーを内蔵し、指の曲げ角度や動きをリアルタイムに取得可能です。高精度な表現が求められるシーンで活躍します。

個人で使えるおすすめモーションキャプチャーアプリ11選比較

スクロールできます
製品名トラッキング方式必要な機材価格帯(目安)主な用途・特徴導入の手軽さ
MYoACTAI (動画解析)PC or スマホ (ブラウザ)無料体験ありスポーツ、動画制作、リハビリ、研究
MocapForAllWebカメラPC, Webカメラ(x2以上)約10,000円 (買い切り)VRChat, ゲーム・映像制作。指や顔も取得可能。
TDPTWebカメラPC, Webカメラ(x1)無料Vtuber, リアルタイム配信。トラッカー不要で手軽。
mocopiIMUセンサー専用センサー(x6), スマホ約44,000円スマホ単体で完結, VRChat, 屋外利用。小型軽量。
Uni-motionIMUセンサー専用センサー, PC約34,000円~VRChatフルトラ。長時間バッテリー、拡張性。
VIVEトラッカー光学式トラッカー(x3), HMD, ベースステーション(x2), PC約15万円~ (一式)VRChat, プロユース。高精度だが環境構築が大変。
HaritoraX 2IMUセンサー (+LiDAR)専用センサー, PC約40,000円VRChatフルトラ。長時間駆動、ズレに強い、足首も検知。
ミチコンPlusAI (スマホカメラ)スマートフォン(iOS)無料 (機能制限解除は月額400円)スマホで手軽に体験。VTuberごっこ、SNS投稿。
SPLYZA MotionAI (動画解析)スマートフォン/タブレット月額約6,000円~スポーツ動作分析、教育、リハビリ。専門的なデータ解析。
iPi Motion Capture深度センサー/WebカメラPC, 深度センサー/Webカメラエディションによるアニメーション制作、研究開発。複数人同時トラッキング可能。
DeepMotionAI (動画解析)PC (ブラウザ)無料プランあり動画ファイルから3Dアニメーションを自動生成。非リアルタイム。

MYoACT(マイオアクト)

すでに撮影された動画データさえあればモーションキャプチャーや動作解析が始められる手軽さと、研究用途にも使える精度を両立したバランスの良さが特徴。無料体験あり。

スポーツのトレーニングコーチやパーソナルトレーナー、理学療法士の方などの仕事の分野でとくにおすすめです。

TDPT (Three D Pose Tracker)

無料で始められるのが最大の魅力。PCとWebカメラ1台さえあれば、すぐにバーチャルアバターを動かせます。トラッカーの装着が不要なため、思い立ったらすぐに使える手軽さは他の追随を許しません。

とにかくコストをかけずにモーキャプを体験してみたい方、Vtuber活動の第一歩としておすすめです。

MocapForAll

Webカメラを2台以上使うことで、より安定したトラッキングを目指せるアプリです。買い切りで約1万円という手頃な価格ながら、指や顔のキャプチャにも対応しており、コストパフォーマンスに優れています。

低予算でも、ある程度のクオリティでVRChatなどを楽しみたい方におすすめです。

ミチコンPlus

PC不要で、iPhone/iPadだけで完結するアプリ。AIがカメラ映像から骨格を推定します。無料でも楽しめますが、月額400円のPRO版で自作アバターの利用やモーション書き出しが可能になります。

例えばPCを持っていない方などで、SNSなどで短い動画を公開して楽しみたい方におすすめです。

mocopi (モコピ)

SONY製の小型軽量センサーを使用。スマートフォンと連携させることで、場所を選ばずにフルトラッキングが可能です。PCがなくてもスマホだけで完結できる手軽さが魅力です。

PC環境に縛られず、屋外などでもモーキャプを楽しみたい方におすすめです。

Uni-motion

VRChatユーザーからの評価が高い製品。24時間以上という圧倒的なバッテリー持続時間が強みで、長時間の利用でも安心です。センサーの追加による拡張性もあります。

VRChatでのフルトラ体験を長時間、安定して楽しみたい方におすすめです。

HaritoraX 2 (ハリトラックス)

Shiftall社が開発。長時間駆動と独自のズレ補正技術に加え、すねのセンサーに搭載されたLiDAR(ライダー)で足首の動きまでトラッキングできるのが大きな特徴です。これにより、より表現力豊かな動きが可能になります。

VRChatで、より自然で細かな動きを表現したいこだわり派の方におすすめです。

VIVEトラッカー

業界標準ともいえる高精度なトラッキングが魅力。部屋に設置したベースステーションがトラッカーの位置を正確に捉えます。ただ機材一式の導入コストが高く、設置スペースも必要になるのは難点です。

精度を最優先する方。ゲーム開発や本格的な映像制作など、プロレベルの環境を求める個人の方におすすめです。

iPi Motion Capture

深度センサー(Kinectなど)や複数台のWebカメラを使用して、マーカーレスで高精度なキャプチャを実現するソフトウェア。Pro版では複数人の同時トラッキングも可能です。リアルタイム性よりも、データ収録後のアニメーション制作などに強みを持ちます。

3Dアニメーターや研究者など、業務レベルでモーションデータを利用する方におすすめめです。

SPLYZA Motion

スマートフォンで撮影した動画をAIが解析し、骨格の角度や速度といった専門的なデータを算出します。スポーツのフォーム改善やリハビリテーションなど、動作分析に特化しています。

アスリート、コーチ、理学療法士など、専門分野で人の動きを科学的に分析したい方におすすめです。

DeepMotion

撮影済みの動画ファイル(mp4など)をブラウザからアップロードするだけで、AIが自動で3Dアニメーションを生成してくれるクラウドサービス。リアルタイム性はありませんが、誰でも手軽に高品質なモーションデータを生成できます。無料プランから試せるのも魅力です。

手持ちの動画素材から、手軽に3Dアニメーションを作りたいクリエイターにおすすめです。

本格的なおすすめモーションキャプチャーシステム比較

Qualisys(クオリシス)

Qualisysは、医療・バイオメカニクス分野で特に高い評価を受けるモーションキャプチャーシステムです。高精度・高フレームレートのカメラと「QTM」ソフトにより、リアルタイム性と柔軟な解析を両立。アクティブマーカー対応や多様な外部連携により、研究・運動解析用途で多く導入されています。

OptiTrack(オプティトラック)

OptiTrackは、ゲーム・VR・ライブ演出などに適したコストパフォーマンスの高いモーションキャプチャーシステムです。最大24MP対応のPrimexシリーズをはじめ、用途に応じた柔軟な構成が可能で、UnityやUnrealとの連携もスムーズ。導入コストが比較的低く、中小規模プロジェクトに人気です。

VICON(バイコン)

VICONは映像制作や医療・研究用途で多く採用されている業界トップクラスのモーションキャプチャーシステムです。最大26MPの高解像度カメラや低レイテンシ処理が可能な専用ソフト「Shōgun」などを備え、非常に高精度なリアルタイムトラッキングが可能です。価格帯は高めですが、プロフェッショナル現場で信頼されています。

モーションデータを取り扱うおすすめソフト

モーションデータは単体でも研究などに活かせますが、映像制作の分野ではさまざまなソフトに取り込むことで活用できます。

モーションデータを取り扱う代表的なソフトウェアをご紹介します。

Blender

Blenderは無料の3DCGソフトで、モーションキャプチャデータ(BVHやFBX形式など)を読み込んでキャラクターに適用できます。外部のキャプチャツールで取得した動作データをインポートし、Blender内で編集やレンダリングができます。

MMD(MikuMikuDance)

VMD形式に変換することで、取得したモーションをMMDキャラクターに適用でき、よりリアルなパフォーマンスが表現できます。VMCプロトコルなどを利用すれば、リアルタイム連携も可能です。

Unity

ゲームエンジンUnityでは、Webカメラや慣性センサーを使って取得したデータをリアルタイムで3Dモデルに反映させることができます。ライブ配信、インタラクティブコンテンツ制作などに活用されています。

UE5(Unreal Engine 5)

Unreal Engine 5では、高品質なグラフィックス表現と合わせて、Live Linkなどを使ったリアルタイムモーションキャプチャが可能です。映画制作やリアルタイム映像配信など、プロレベルの表現も実現できます。

モーションキャプチャーの活用事例

モーションキャプチャーは、業界や用途を問わず幅広く活用されています。

アニメ・映画制作

キャラクターの複雑なアクションや感情表現を、手描きではなく実際の演者の動きから取り込むことで、制作時間の短縮と表現のリアリティを両立できます。

近年のアニメ映画では『THE FIRST SLAM DUNK』のバスケットシーンが話題になりました。また『アバター』や『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなど、さまざまな有名作品でモーションキャプチャーの技術が活用されています。

VTuber

VTuberは、フェイシャルキャプチャや全身キャプチャを使い、リアルタイムで視聴者と交流しています。手軽なシステムが増え、個人VTuberの参入も増加しています。

国内で圧倒的な人気を誇るVtuberグループの「にじさんじ」では、本格的なモーションキャプチャーシステムを導入していることで話題になっています。

研究・学術分野

バイオメカニクスや心理学、ヒューマンインタフェース研究などで、動作解析や非言語表現の研究に使われています。動きの定量化により、より客観的な分析が可能です。

ダンストレーニング

プロダンサーの動きを忠実に記録し、教育用途や舞台演出の3D化に使われています。動作の保存や解析にも優れており、表現力の向上にも貢献します。

医療・リハビリ

歩行分析や関節可動域の把握など、患者の身体機能を定量的に測定する手段として活用されます。リハビリ計画の立案や経過観察にも有効です。

ロボット操作

人間の動作をロボットに模倣させるための入力手段としても利用されています。直感的な遠隔操作や作業訓練などに活かされています。

スポーツ分野における動作解析

プロ選手のフォーム改善やトレーニング支援、競技力向上のために導入が進んでいます。動作の効率や再現性を高めるために貢献しています。

動物(猫など)への応用

近年では動物の動きもキャプチャ対象として注目されています。猫の動作を再現したアニメーションや、動物行動学の研究など、活用の幅が広がっています。

モーションキャプチャーシステムはスタジオでも借りられる

本格的な機材や環境が必要になったとしても、それが一時的な場合は、モーションキャプチャースタジオを利用する選択肢があります。

地方では難しいかもしれませんが、とくに東京にはOptiTrackやViconなどの設備を備えた商用スタジオがあります。撮影規模や目的に応じたレンタルプランやオペレーター付きサービスも提供されています。

スタジオを選ぶ際のポイントと料金相場

スタジオ選びでは、使用する方式(光学式 or 慣性式)、キャプチャエリアの広さ、サポート体制、対応ソフトなどを確認することが重要です。

料金は1時間数万円〜数十万円までと幅がありますので、用途に応じて見積もりを取ると良いでしょう。

目的に応じて最適なモーションキャプチャを選ぼう

モーションキャプチャーは、映像・ゲーム制作をはじめ、医療やスポーツ、研究分野まで多様な活用が可能な技術です。用途や予算、精度に応じて、マーカーレス・光学式・慣性式などの方式を選び、必要な機材やソフトウェアを組み合わせることが重要です。

個人でも始められる環境が整ってきており、VTuberや3Dアニメーションの制作を通じて自己表現の幅を広げるチャンスが誰にでもあります。まずは自分の目的に合ったスタイルから、小さく試してみることをおすすめします。

今後もAI技術の進化やハードウェアの低価格化により、さらに多くの人がモーションキャプチャーの恩恵を受けられる未来が期待されます。

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この記事を書いた人

株式会社ORGOでは、筋骨格動作解析システムの研究開発をおこなっています。また研究で得た成果をもとに、医療・ウェルネス分野の専門アプリケーションやSDKを開発して提供しております。
当サイトでは、おもにウェルネス分野の事業者さまの課題解決に役立つIT情報をお届けしています。

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