主席研究員の上野が北海道大学にて招待講演発表を行いました
2024年6月20日に北海道大学で開催された情報処理学会北海道支部の講演会にて、以下のタイトルで招待講演発表を行いました。
講演概要
講演者
上野亮(株式会社ORGO 主席研究員)
日時
6月20日(木) 15:00~
場所
北海道大学 情報科学研究院棟
演題
人体バイオメカニクスにおける機械学習と筋骨格シミュレーション
要旨
機械学習分野が急速に進展する中、生理学・物理学・医学などの融合分野であり、ビジネス応用事例も少ないバイオメカニクス分野の進展は比較的ゆっくりであったと言える。しかし、近年の機械学習技術により、ヒトの運動情報がRGBカメラ一つで取得可能になり、筋骨格シミュレーションなどの技術にも注目が集まっている。筋骨格シミュレーションとは、運動中の筋の活動や張力などを、最適化手法を用いて推定する技術であり、リハビリ分野での患者の評価や治療シミュレーション、病態の理解などに用いられている。さらに有限要素法と組み合わせることで、運動中の靱帯や関節軟骨などの体内組織のストレスや応力をシミュレーションすることも可能である。 本演題では、バイオメカニクス分野で用いられる機械学習、主に姿勢推定技術や、筋骨格シミュレーションにおける最適化手法および有限要素法について紹介し、医療現場での応用例やビジネスとしての応用の可能性を例示する。しかし、患者特有の運動や筋活動、スポーツ分野でのダイナミックな運動など、現在の姿勢推定や筋骨格シミュレーションでは未だ再現が困難な課題は多く、さらなる議題として提示する。